場づくりという冒険オンラインスクール体験記
去年の年末くらいから「来年の前半くらいは、勉強したり、考えを整理したりする時間をちゃんととりたいな」と思っていました。
でもそんなことを言ったところで、どうせ仕事に追われてズルズルと後回しにすることは目に見えていました。
そんな時にFacebookのタイムラインに流れてきたのが、この「場づくりという冒険オンラインスクール」でした。
わたしは夜はなるべく家にいたいと思うタイプなので、オンラインスクールっていいね!しかも「場づくり」って興味あるね!と思ってページを開きました。
主催しているのは「ここにある」社の藤本遼さん。
彼とは、深夜の京セラドームで野球をした時に会ったことがあるだけでしたが、studio-Lのメンバーが以前からお世話になっていたので、何をされているのかは知っていました。
兵庫県尼崎市を中心に、自らが主体となって場づくりに取り組んでいる彼は、わたしが普段取り組んでいる場づくりとはスタンスが違うな〜と思っていました。
スタンスが違う人と話すのはおもしろいですよね。でも、ぶっちゃけ細かい目的もなく
おもしろそうやな
というページを開いた時の直感に従い、日程も全部参加できるということで、ページを開いたままの勢いでスクールに申し込んでみました。
こうして参加した2020年4月〜6月・全7回のスクールについて、振り返ってみたいと思います。
コンテンツ
スクールの概要と各回の気づき
スクールの構成
- チェックイン・オリエンテーション
- 場づくり概論(藤本遼さん)
- 福祉と場づくり(はっぴーの家ろっけん・首藤義敬さん)
- オンラインコミュニティ(コミュニティフリーランス・長田諒さん)
- コワーキングスペース(武庫川女子大・時任啓佑さん)
- ファシリテーション(ホームズビー・山本彩代さん)
- 振り返り
各回ごとの振り返りを書くと、すごい量になってしまう…。
しかし素晴らしいことに第3回〜第6回はシェアOKのグラフィックレコーディングがあるので、それを掲載させていただき、今も印象に残っているフレーズをメモ程度に載せておきます。
第3回:福祉と場づくり
場の哲学が人を引き寄せる/雑・だらしなさのデザイン/喫茶店の横に座ってるおっさんみたいなスタンス/「3割きっちり」その瞬間大事な3割は何かを考える/トラブルはポジティブなネタになる(殴りかかってくるおっさんをいなす)
第4回:オンラインコミュニティ
オンラインの時点で排他的なコミュニティという自覚/肌感覚を共有できないからこそWHYを明確に共有/オンラインコミュニティは内向性と親和性がありそう
第5回:コワーキングスペース
コワーキングスペース=コミュニティとしての価値/物理空間の価値が下がる時代のコワーキングスペースの空間的価値は?/「とりあえずこれを売りたい」的な企画には強めにビジョンを問う
第6回:ファシリテーション
一人ひとりは正しいが全体の一部でもある/事実と解釈を分ける/被害者・救済者にならない/解釈が違う→時間をとる/五感を活かすファシリテーションとは
素晴らしいと思った彩代さんの問い
あなたの中で
・変容したがっているもの
・命を与えたいと思うもの
・手放す必要があるものははなんだと感じていますか?
・・・そして第7回は、全員でスクールを振り返りました。その後少し時間を置いて、改めて湧いてきた感想を紹介します。
感想①オンライン×ローカルがおもしろい
別記事で紹介したアキュメンのオンラインスクールとは違って、こちらは藤本遼さんというファシリテーターがいて、講師もいて、他の参加者とも話せます。
参加者は30人くらいで全員オンライン。
オンライミーティングは学生の頃から10年以上親しんでいましたが、1度に30人くらい参加するオンラインでの話し合いは初めてでした。
どんな感じになるんかなあ、という気持ちでした。
テーマとローカルの親和性×オンライン
これは人によると思いますが、わたしはめちゃくちゃ楽しかったです。
このスクールの特徴ともいえるのが、「場づくり」というテーマのもと全国各地で場づくりに取り組んでいる人が参加していたこと。オンラインらしさが表れていました。
北は新潟〜南は沖縄だったかな。これは「場づくり」というテーマが影響していると思いました。
場づくりに取り組んでいる人は、都市部から離れた場所にいる人も多いです。
現場で起きる悩みや葛藤を乗り越えるヒントがほしいし、フランクに話し合いたい。しかし、そんな場がなかなか近くにない。
という意見も参加者からよく聞きました。これは色んな地域からの参加があった理由の一つかなと思います。
新潟の佐渡島から参加しています、という人がいて、その場でGoogle Earthを画面共有して「どのへんっすか!?」と盛り上がりましたね〜。
色んな地域の当事者たちの話を聞けるのはおもしろかったし、勉強になりました。
自分もオンラインワークショップをやってみた
スクールが数回進んだところで、少なくともわたしは「これはおもろいぞ!やってみたいぞ!」という気持ちが高まっていたので、高まっているうちにやってみることにしました。
いくつかやりましたが、印象的な例を一つ。
アフリカのケニアで感染症予防などの事業に取り組んでいる友人が、ケニアでCovid-19の感染が拡大するのを防ぐためのクラウドファンディングに取り組んでいました。
彼はわたしが大学生時代に所属していた国際NPOの仲間で、卒業後も色々と情報交換していました。
このクラウドファンディングを活性化するために何かできないかということで、ケニアとCovid-19をテーマに、NPOの卒業生向けにオンラインワークショップを開くことに。
この時も色んな地域から参加してくれて、シンガポールやマレーシア、フィジーから参加してくれた人も。
ケニアの状況に共有しつつ、他国の視点も交えて議論を深めることができました。これもオンラインならではの体験でした。
オンラインの可能性を追求していくことは、個人的な指針の一つになりました。
感想②場づくりに正解なし:モヤモヤをボヤボヤと
スクール参加者は場づくりについて色々と悩んでいる。ゲストから答えを教えてもらいたい。そんな雰囲気をひしひしと感じることもありました。
しかしゲストも悩んでいるし、その経験談が必ずしも最適解ではない、というのが現実だと思います。
モヤモヤしていることをボヤボヤと話して考える
擬音語すぎてよくわからない感じですが、そんな時間もこのスクールには多かったな〜と思います。
「場に多様性をもたらすにはどうしたらいいの」「排他的でもいいんじゃないの」
「こういう時ファシリテーターはどうすればいいの」「そもそもファシリテーターって必要なの」
「場が炎上したらどう鎮めたらいいの」「鎮める必要ってあるの」
・・・
という感じで色んなモヤモヤがあり、そこに明確な答えがあるわけではなく、ボヤボヤと話す…。
そんなモヤモヤを聞きながら、自分もボヤボヤと(ぼんやりと)でも発話しながら、自分なりの答えを組み立てていく。
これはまさに、場づくりの現場でも同じかなと思いました。
とにかく色んな現象が起きるので、その場で発生するモヤモヤは、ボヤボヤとでも話しながら解決していく。
逆に言うと、ボヤボヤとでもいいから話し合って考えて前に進むという習慣をつけていけば、「モヤモヤと不安を抱えたまま進めない」状況は解消されていくかもしれないと思います。
今回のスクールは、そんな練習の場でもあったなと思いました。
モヤモヤをボヤボヤできる場づくりをしてみたい、とボヤボヤと考えています。
感想③目的なき場づくりが行動を生んだ(かも)
最終回でみなさんの振り返りを聞いていてわかったことですが、参加者の半分以上の人が既に何らかの行動を起こしていました。
スクールの全ての回において、ファシリテーターの藤本さんやゲストが「さあ、あなたもやってみましょう!」的なことを言ったことはなかったと思います。
気づいたらわたしも、オンラインワークショップを自分で開いてました。
既に自分で場づくりに取り組んでいるという参加者も多かったので、参加者の特性が影響しているとは思います。
しかしバーチャルという限られた空間で、自分もやりたくなるという雰囲気がつくられていたのは、このスクールの大きな特徴だったなと思いました。
目的のないところに創造あり
実はスクールの後に、藤本さんと共に「場づくり」について語り合うクローズな会をオンラインで開いたんですね。その内容をまとめたのがこちらの記事↓
この会で一番盛り上がったのが、「目的のないところに創造がある」よね〜という話でした。
詳細は記事を読んでいただきたいということで割愛しますが、要は、場づくりも目的に捉われると発想が制限されてしまうという話です。
ふと思い返すと、このオンラインスクールには厳密な目的がなかったような気がします。
あったのかもしれないけど、なかったのではないかと勝手に思っています(笑)
「このスクールの目的はなんですか?」と藤本さんに問う参加者もいなかったような気がします。むしろ藤本さんも途中から参加者みたいになっている時もありましたし。
自分も大した目的を持たずに参加したので、スクールに目的を求めることもありませんでした。
しかし結果的には、そこから行動が生まれている。これはおもしろい現象だなと思いました。
あえて目的をもたない場づくり。これも個人的な指針の一つになりました。
・・・というわけで。
こういうスクールの振り返りのようなブログの最後には、「これからはこんなことをがんばるぞ!」という所信表明的なものがないと締まらないように感じますが、あえて締めないでおこうと思います。
ここまで挙げた3つの感想を念頭には置きながら、思いついたことをやっていく、という感じで過ごしていきたいと思います。
藤本遼さん、講師の皆さん、参加者の皆さん。3ヶ月間、ありがとうございましたー!!